青二塾は、声優業界四天王のひとつとも言われる声優事務所「青二プロダクション」が運営する声優養成所です。
「進撃の巨人」リヴァイ役の神谷浩史さんなど多くの実力派声優を輩出していて、あこがれの声優養成所として人気があります。
そんな青二塾ですが、ネット上では
「レッスンが厳しい・・・」
といった声もあります。
この記事ではそんな青二塾について、
- 厳しいという評判の真相
とあわせて
- 入塾オーディションの倍率
- 青二塾の卒業生
などについて解説します。
青二塾は厳しいってホント?
青二塾についてネット上で検索しようとすると、「青二塾 厳しい」が検索キーワードのトップに出てきます。
多くの方が「青二塾は厳しい」という噂について知りたいのでしょう。
実際はどうかというと、やはり青二塾が厳しいのは本当のようです。
青二塾にいた人と話したことがあるんですが、化粧禁止とか時間に物凄い厳しいとか、とにかく厳しいよと噂は聞いてましたけど…。
— polkazur (@polkazur) August 5, 2017
青二塾行ってた彼女は大変そうやったなー プロダクション所属できるのはほんの一握りの厳しい世界 最初の授業は正座の仕方からやってたね
— ぴこたん (@hayuhayuu) February 29, 2012
卒業生の方からも「厳しい」の声が。
@pcknyuuuuu 青二塾は演技を勉強以上に精神力を鍛える場所ですよ。年々優しくなってるなんて耳にするけど、やっぱり厳しいと思いますよ。あー、あの頃は僕も十代かぁ...w
— 吉崎 亮太 (@yoshizaki_ryota) November 14, 2012
「厳しい」という話の多くは「業界一の体育会系で礼儀作法に厳しい」ということのようです。レッスン内容以上に、挨拶や時間を守るなどの基本的な礼儀作法が重視されていることにインパクトがあるようですね。
しかし、礼儀作法は仕事をしていく上で大切なことです。
たとえば、会社に遅刻したり約束の時間に遅れると周りの人に迷惑をかけるし、「時間を守れない人」と思われ信頼を得にくくなったりします。上司やお客様に敬語を使えないと、相手が不快に感じることもあります。
そんな人と仕事をしたいかと言われたら、したくはありませんよね。
声優業界は体育会系で上下関係が厳しいと言われており、礼儀作法を身につけることは当たり前というのが青二塾の考えです。「業界一の体育会系で礼儀作法に厳しい」のは、信頼される声優を育てるためなのです。
高校卒業後すぐに青二塾に入る方も多いため、学校の延長という感覚があると厳しいと感じるのかもしれません。
では、レッスン自体はどうかというと、塾長が厳しいと明言されています。
青二塾東京校、確かにちと厳しいんですよね。なんせ、たった1年でプロの世界に送り出すカリキュラムですので。
— 声優・古川登志夫(青二プロダクション) (@TOSHIO_FURUKAWA) January 29, 2021
そう、1年でプロの世界に送り出すレッスン内容(カリキュラム)だから厳しいんです。(大阪校の週末2日2年制は、学業や仕事をしながらもチャレンジできるシステムなので、兼業前提と考えるとやはり厳しいでしょう。)
「青二プロダクションの次世代育成」を掲げる青二塾が、1年で即戦力となる人材を育てようとするのです。しっかり育てるため、レッスン内容が盛り沢山になってしまうのでしょう。
レッスンの厳しさは、「本気でプロを目指す人をしっかり育てる」という青二塾の熱意の表れなのです。
青二塾のレッスン内容や費用は?
まず、入塾から卒塾までにかかる費用は以下の通りです。
東京校(1年間) | 大阪校(2年間) | |
入塾金 | 220,000円 | 165,000円 |
受講料 | 440,000円 × 2(前期、後期) | 250,800円 × 4(前期、後期 2年分) |
合計 | 1,100,000円 | 1,182,400円 |
別途費用 | 日舞用の浴衣や帯など3〜4万円程度 | 合宿、クリスマス会、ビデオ作成、追加テキストなどがあれば、15万円程度 |
入塾金と受講料の合計は大阪校のほうが1割ほど多いですが、大阪校は2年間なので、1回の出費額は東京校のほうが多いです。
別途費用については、大阪校は行事が多いため入塾案内に明記されています。東京校の別途費用は書かれていませんが、日舞用品以外にもあると考えられますので、多くても大阪校と同じ程度と考えておくといいでしょう。
次に、レッスン内容についてです。
東京校と大阪校でスケジュールやレッスン内容が違います。
共通する内容は、
- 特別講義・授業の講師は青二プロダクション所属の現役声優や青二塾出身者、業界関係者など
- 卒塾時に青二プロダクションのオーディションを受けられる
- ダンスや日舞など体を使う講義がある
というところです。
各校のレッスン内容は次のとおりです。
東京校
東京校は週5日で1年間のレッスンです。
受講スケジュールは以下のようなイメージです。
週5日のうち、半日講義が4日、全日講義が1日という感じのようです。30名のクラスが2クラスあり、特別講義以外は別れてレッスンを行います。
年間スケジュール
- 特別講師による特別講義は年数回
- 夏休み、冬休みあり
- 9月に中間発表
- 2月に卒塾公演
- 3月に青二プロダクションオーディション
レッスン
- 演技(呼吸法、滑舌、姿勢などの演技に必要な基礎力をつける実技と、演技論)
- アフレコ実習
- ナレーション
- 感情表現(恥ずかしがらずに喜怒哀楽を表現)
- 発声(歌の呼吸法や発声法)
- 日舞、ダンス
大阪校
大阪校のレッスンは、毎週土日の2日で2年間のレッスンです。勉学や仕事をしながらレッスンを受ける人や、週末だけ大阪に通ってレッスンを受ける府外在住者もいるそうです。
年間スケジュール
- 特別講師による特別授業は毎月開催
- 8月後半に2泊3日の合宿(1、2年次)
- 12月に塾生主体のクリスマス会(1、2年次)
- 2年次に卒塾ビデオ制作
- 2年次2月に卒塾オーディション(青二プロダクションオーディション)
レッスン
- 演技基礎(発音、発声の基礎、朗読術、演技術)
- 演技実習(ラジオドラマ実習、アフレコ実習)
- アクセント(共通語の発音やアクセント、話すことや読むことの基本)
- 音楽(発声、音楽理論、リズムトレーニングなど)
- ダンス
大阪校にはアクセントのレッスンがあるのが特徴です。
地方出身の方が共通語の文章を読むと、共通語の発音やアクセントで読んでいるつもりでも違いがあります。アクセントのレッスンは声の仕事をするために重要なレッスンです。
青二塾の評判ってどうなの?
青二塾についての評判は、悪い評判と良い評判の両方がありました。
それぞれについて見てみましょう。
悪い評判
@good_night821 青二塾東京校にいました。青二塾は養成所で、声優専門学校とはまたちょっと違い、ガチで厳しいです。毎年ノイローゼで辞める人がいるって伝説があるくらい厳しいです。怒鳴られたり、先生の機嫌を損ねて授業が止まったりはわりとよくあります。
— ZENZO/『売り場は今日も戦場です!』2巻予約受付中! (@zettdot) January 24, 2015
自信を喪失してしまいました
声がかわいいと小さいころから言われてきて、声優を目指し青二塾を目指して、入塾まで行きましたが、結果として途中で辞めました。レッスンは本当に過酷で、自信を喪失したのがその理由です。やっぱり憧れのまま見ていた方がいい世界でした。#声優養成所
— 声優カナ@声優アドバイザー📣声優になりたい人はついといで~ (@kana_voice_acto) March 13, 2019
確実に入って見てもらうなら日ナレだけど…。事務所のブランド力で言えば青二塾なんだけどさすがにここは高い…。日ナレね3倍はお金かかる…。
— かむちゃん (@kami_gucchi) March 26, 2014
日舞の授業は辛かったって 言ってたな… 本当に日舞のシーンがあった!青二塾。
— よ-あす (@ginsakura_1022) August 5, 2017
今日の青二塾レッスン終わったぁ…モダンバレエレッスンはホント汗だくになるほどハードである
— 宮崎好軌 (@yoshiki_DoM) July 9, 2010
内容としては、
- 厳しい
- 費用が高い
- 日舞やダンスがハード
というものです。
「厳しい」については先にも書いたとおり、青二塾のレッスンは1年(または2年)でプロの世界に送り出そうとするものなので、厳しいです。それをどう受け取るかは、声優への熱意、本人の性格やメンタルの強さなどで変わるのでしょう。
「費用が高い」というのは、東京校の「1年で110万円」が高いということのようです。確かに1年間での費用として考えると業界トップクラスの金額です。しかし、他の養成所は卒業まで数年かかるところもあるため、卒業(卒塾)するまでの費用としてはダントツで高いということはありません。期間が短い分、コスパがいいと考えることもできますね。
日舞やダンスは身体表現を学ぶために取り入れられているようで、講師の方は全力で教えてくださります。学生の頃の体育の授業と比べるとハードに感じてしまうのでしょうね。
良い評判
@ryo19790929 僕はデビューが19だったけど、出た養成所が青二塾で本当に良かったと思ってますよ。りょうさんもわかると思いますけど、あそこは業界で一番体育会系で礼儀に恐ろしく厳しいですもんね。
— 吉崎 亮太 (@yoshizaki_ryota) October 5, 2014
青二塾、今思うとすごく大変な1年だったな(笑)
それだけ得られるものも多かったし、あの1年があったから俳優教室も頑張れたんだなと思います。
舞台の演技にマイクの演技、バレエ、日舞、声楽とてんこもりで毎日へろへろになってました。
きゃー!懐かしい!(笑)— みずたに ゆかり (@yucariririring) May 20, 2017
今日で青二塾の授業終わり。専門学校じゃなくてちゃんと養成所選んでよかった。金も時間も無駄じゃなかった。死ぬ気で声優目指していくよ。
— しょーちゃん@ラブライ部 (@501stSw) February 23, 2013
ほとんどが「青二塾を卒業してよかった」というものでした。
厳しいレッスンでメンタルや声優としての基礎を鍛えられて自信が付いたことで、よい経験だったと感じるのでしょう。本気で声優を育てる厳しい青二塾だからこその評判と言えますね。
青二塾への入塾倍率
青二塾に入るためには、オーディションに合格しなくてはいけません。
オーディションは東京校、大阪校それぞれで年1回行われていて、倍率は公表されていませんがどちらも3倍くらいと言われています。これは他の養成所に比べると倍率は低いほうです。
詳しく説明するために、まず募集要項を見てください。
東京校 | 大阪校 | |
出願資格 |
|
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試験科目 | 【一次】
【二次】
|
|
受験料 | 【1次】無料 【2次】5,500円(2021年度の場合) |
10,000円 |
まずは注目するのは、出願資格の「受講料を納入可能な方」という条件です。評判のところでもあったように、受講料が高いほうなのでまずここで躊躇する人が多いのでしょう。特に、東京校は厳しいカリキュラムの全日制なので、アルバイトをしながらというのは難しく、受講料と1年間の生活費の心配がない状態でなければいけません。
そしてもう一つ、大阪校の出願条件の「18〜28歳」という年齢条件です。大阪校は講義が週末だけなので、勉学や仕事をしながら通うことも可能なので東京校よりは門戸が広いです。しかし、この年齢条件があることで、大阪校の出願は高校卒業後10年までの若者に限定されます。
この2つの条件があることで、青二塾は「受験しよう」という人数が人気の割に少なくなり、入塾倍率が低くなるのだと考えられます。
青二塾の卒業生ってどんな人達?
青二塾卒業生で活躍されている方はたくさんいらっしゃいます。
神谷浩史さん | 進撃の巨人(リヴァイ・アッカーマン)、ONE PIECE(トラファルガー・ロー) |
草尾毅さん | ドラゴンボールZ(トランクス)、SLAM DUNK(桜木花道) |
小野大輔さん | 進撃の巨人(エルヴィン・スミス)、ジョジョの奇妙な冒険(空条承太郎) |
置鮎龍太郎さん | SLAM DUNK(三井寿)、トリコ(トリコ)、BLEACH(朽木白哉) |
大空直美さん | いなり、こんこん、恋いろは(伏見いなり)、装神少女まとい(草薙ゆま) |
津田美波さん | ゆるゆり(船見結衣)、新幹線変形ロボ シンカリオンZ(新多シン) |
下地紫野さん | アイカツ!(大空あかり)、アイドルマスターシンデレラガールズ(中野有香) |
前田愛さん | 金色のガッシュベル!!(大海恵)、Yes!プリキュア5(水無月かれん) |
上記の方々はごく一部です。青二プロダクション以外の事務所に所属されている方もいらっしゃいますが、たくさんの卒業生が声優として活躍されています。
まとめ
青二塾についてまとめると
- 業界一の体育会系で礼儀作法に厳しく、カリキュラムも厳しい
- レッスンは、東京校は週5日で1年、大阪校は毎週土日の2日で2年間
- 卒塾までにかかる費用は、東京校が110万円、大阪校がおよそ118万円
- 入塾倍率は東京校・大阪校とも3倍くらい
- 神谷浩史さんなど多数の卒業生が業界で活躍している
になります。
青二塾は「声優になりたい」ではなく「声優になる」という覚悟を持っていないと難しいところだと思います。
しかし、その覚悟さえあれば声優として活躍するための経験を積むことができる場所です。
「声優になる」夢を現実にしようとする方にこそ挑んでいただきたい養成所だと思います。